
就業規則をキチンと作れば、労働者がキチンと働くということがあるでしょうか?
実は、就業規則を作っただけでは、労働者はキチンと働くようにはなりません。
なぜなら、労働者が自らの権利を知れば知るほど、権利意識が強くなり、その権利を使いたくなります(権利を行使しないと損だと思うようになります)。また、就業規則に書かれていること以上のことをしようと思わなくなります。
『権利があるから使う』という社員と、『ルールがあるから従え!』という会社という労使関係では、会社は決して良くなりません。
本当にそれでいいのでしょうか?
今は、感性の時代だと言われています。
お客様に感動を与える商品やサービスは、ルールやマニュアルを越えたところにあります。
今、必要とされているのは、「権利だ!」「義務だ!」と社員をしばりつけるよりも、社員がのびのび働ける職場環境を作ることなのです。
では、どうすれば、社員がのびのびと働ける職場環境をつくれるのでしょうか?
確かに、解雇無効の訴えや未払い残業代の請求など、労務トラブルが増えています。
しかし、労務トラブルを起こす社員は、一握りの社員です。その一握りの社員が起こした労務トラブルがきっかけで、いままで良好だった会社と社員の関係が悪くなり、その結果、会社の業績も悪くなり、会社の継続が難しくなるということが少なくありません。
労務トラブルに対応出来ないと、真面目に働いている社員を守ることが出来ないのです。
そうです。就業規則を改定する本当の理由は、真面目に働いている社員を守るためです。真面目に働いている社員にとっては、会社のルールは空気のようなもので、普段、意識していなくても、問題を起こすようなことはありません。
このような社員にとっては、普段、意識をしていない就業規則を会社が見直すとなると、『社員にとって不利なルールを押しつけるつもりだ!』と思われがちです。
これは、会社の本意ではないはずです。
会社は、『労務トラブルを起こすような社員から、真面目に働いている社員を守るために、就業規則を見直すんだ!』ということを明確にする必要があります。
そのため、見直しの際には、変えるべきルールと残すべきルールを見極める必要があるのです。
労務トラブルの原因のほとんどは、感情の衝突です。就業規則そのものではありません。
労務トラブルを起こす社員は、必ず、『悪いのは会社であって、自分ではない』と主張してきます。
その時の格好の標的が『就業規則』です。
『こんなルールも作っていない会社は悪い会社だ!』
『労働基準法に違反している会社は悪い会社だ!』
と言ってきます。
その部分だけを切り取って判断すると、確かに会社に非がある場合が少なくありません。
しかし、労務トラブルの原因を見ていくと、会社側だけでなく、社員側にも非がありことが多いです。
それならば、喧嘩両成敗になりそうなものですが、労務トラブルは違います。
労働基準法という労働者を保護する法律があるので、ほとんどが、会社が悪いとされてします。
このようなことが起きないように、問題社員に隙をみせない就業規則を作る必要があるのです。
日々、我々のように労務トラブルに接していると、問題社員が攻めてくるポイントが見えてきます。
そのポイントとは、会社が一番弱いと感じているところです。
その最たるものが『労働時間』と『有給休暇』です。
就業規則を改定する場合は、このポイントを優先的に見直す必要があります。
このとき、忘れてはいけないのは、『真面目に働いている社員を守る』という視点です。
真面目に働いている社員が、『労働時間』や『有給休暇』をどう考えているのかを考えながら、規定を見直していきます。
当然、労働基準法に定めがありますから、その定めに従いながらも、会社独自の価値観を就業規則上にどう表現するのかが、ポイントとなります。
また、法改正に対応するというのも、重要なポイントです。
時代によって、法律が変わります。また、法律の取り扱いを定めた『通達』にも目を光らせる必要があります。
行政は、労務トラブルが多いところ対し、『通達』を出します。法律ではないので、違反ということにはなりませんが、会社として無視できません。
問題社員に隙を与えないためにも、このような細かいところにも気を配らなければなりません。
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